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この記事の概要
まずは、管理費用の内訳について考えてみましょう。大きく分けると、「入居者に関する管理業務」と「建物に関する業務」の2つで構成されています。
【入居者に関する業務】
①賃料の徴収 ②賃料の遅延に対する督促 ③未払い対応 ④入居者の苦情処理 ⑤修繕手配 ⑥賃貸借契約に基づく連絡事項 ⑦更新・解約業務
【建物に関する業務】
①日常清掃 ②法定点検(消防点検やエレベーター点検等) ③設備点検 ④建物全体の修繕
「入居者に関する業務」については、管理費用を賃料収入に対して何%という割合で決められています。
つまり、賃料が高ければ、または稼働中の部屋数が多ければ管理費用は高くなり、反対に賃料が低ければ、または空室が多ければ管理費用は少なくなります。
通常は3~5%の範囲でオーナーと管理会社で取り決めていることが多いですが、最近、この管理費用を1~2%程度に設定したり、一住戸あたり月額〇〇円と定額にし、安さを強調した会社も増えています。
一方、「建物に関する業務」については、実費に応じた定額料金となっていることが一般的で大きく変動はないようです。
同様の管理をする場合でも、管理会社によって、管理費用が違ってくるのは何故でしょうか。ここでは理由を4ケースあげてみます。
①保証会社を利用しているケース
賃料等の徴収業務において、入居者の連帯保証人として各種保証会社を利用することで、管理会社としては賃料等の遅延に対する督促や未払い対応業務から解放されます。
②不動産売買仲介手数料を収益源としているケース
不動産物件の売買情報獲得の手法として継続的な管理業務を行い、将来の売却物件を確保することで賃貸仲介手数料や管理費用よりはるかに高額な売買仲介による手数料を収益源とします。
③賃貸仲介手数料を収益源としているケース
割安の管理費用で管理する賃貸物件数を増やすことで、日々の管理業務の中で入退室状況を都度都度把握できます。入居者の退室のタイミングを見極め、スピード感ある入居者探しを行い、賃貸仲介による手数料を増加させます。
④内装や外装工事費用を収益源としているケース
入居者入れ替わり時の内装工事や修繕工事、定期的な外装工事などを専属的に請け負うことで管理費用が薄利でも、工事の内容や回数によっては大きな収益源となります。
このように、一口に管理会社と言ってもその会社の来歴によって専門とする業務には差異があります。オーナーにとっては、管理費用が安くても空室率が高く、修繕工事費用などが嵩めば、賃貸収益を圧迫します。よって、一見の管理費用の多寡でなく、状況をよく把握して管理会社を見極めることが大切です。
中村 賢治
多岐にわたる不動産業務経験と投資用不動産仲介支援業務の中でお客さまの様々なニーズにお応えしてきた経験を持つ。現在は、賃貸管理会社ハウスメイトマネジメントにおいて、オーナーさまからの賃貸管理、土地有効活用、建替えなどのご相談をお受けする業務に従事。金融機関主催のセミナー、営業職向けの不動産勉強会等の講師を多数実施。
※ 本コンテンツは、不動産購入および不動産売却をご検討頂く際の考え方の一例です。
※ 2023年9月27日本編公開時の情報に基づき作成しております。情報更新により本編の内容が変更となる場合がございます。
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